賃金のお話
そろそろ労働組合との交渉も妥結する時期ですね。
ニュースとかで春闘とかベアとか聞きますが、説明しろと言われた時にうまく説明できないという人のためにまとめてみます。
2018春闘 トヨタ、5年連続ベアへ 電機、鉄鋼は前年より上積み目指す
こんな記事がありました。
ワード① 『ベア』
クマ? って思った人。中々愛されるタイプの人柄ですね。
ベアとは、「ベースアップ」の略です。
ん?ベースアップって?
ワード② 『ベースアップ』
ベースアップは、会社全体の賃金の底上げという意味です。
もっとわかりやすく言うと、ベアで3000円増額 ⇨ 全員一律で3000円基本給が上がるって事です。
初任給についても今までは20万だったのが、ベアで3000円増額となれば
来年からの採用の人は初任給が20万3000円となるわけです。
会社側からすると、人件費の確実な上昇となるので、通常はベアはせずに「定期昇給」でごまかそうとします。
そこでベースアップを巡って、労働組合と会社側が交渉をする、いわゆる「春闘」が繰り広げられるわけです。
ワード③ 『定期昇給』
ベアと勘違いしがちなので注意して下さい。
定期昇給は年齢や勤続年数などや仕事ぶり、業績結果によって上がっていく賃金です。
会社にもよりますが、日本にはまだ年功序列制度が色濃く残っていますので、毎年平均して2000円~4000円程度の賃金上昇する所が多いです。
なので、ベア3000円となれば、3000円+定期昇給分の給料が増えるという事になります。
ワード④ 『春闘』
会社側からすれば、定期昇給は仕方ないにしても、ベアを認めると会社の経営を人件費が圧迫する可能性も増えてくるので嫌がります。
そこで春闘というワードが出てきます。
春闘とは、同じ業種の組合同士が連携して、会社にベアを要求する事です。
言うなれば、お隣さんの家の晩ごはん作戦です。
「隣の家は今日焼き肉なのに、ウチはなんでふりかけだけなの?」
「パパは同じ会社同士なのに、なんでこんなに差があるの?おかしくない?」
的な感じです。
例えば先に出てきたトヨタ。
トヨタの労働組合が会社に対して「3000円ベアお願いします」と言うのと、
自動車業界(トヨタ・日産・ホンダ・マツダ・スズキetc)の労働組合が、
「今回、自動車業界全体でベア目指してるんで、各社ベア3000円お願いします」
と言うのでは、会社としても同業他社への世間体もあり、中々断れない雰囲気が出る。
ここでトヨタが3000円ベアを承認等というニュースが流れると、同業他社も3000円はできないけど、じゃぁ2000円のベアで。という話になってきます。
これが大体年度末(2月~3月)に行われる事から春闘と言われます。
以上、簡単に賃金についてまとめてみました。
それにしてもトヨタの5年連続ベアは凄いですね。
さすが日本を代表する企業です。